幸せのしずく
つまるところ人生は、家庭や職場での平凡な出来事・・日々のありふれた雑事・・によって形作られている。どんなに忙しくても、毎日の生活のなかに何か心を広げ、豊かにしてくれるものを取り入れよう。
日付が明日に変わる前に、自分の人生に新たな美と喜びを加えよう。人生を、楽しいことばかりの時期と味気ない苦行の時期に分ける必要などないのだ。
楽しみを先にのばしても何の得にもならない。ある作家はこう書いている。
「私はむしろ蝶を追って暮らし、月の光を瓶につめて闇夜の灯りとしよう。日々の生活で出会う幸せのしずくをすくいとること、それが幸せになるたったひとつの方法である。

東洋にこんな言い伝えがある。あるところに不思議な力を持つ仙人がいた。
仙人は美しい少女に、「このトウモロコシ畑に分け入って、一度も立ち止まらず振りむかず、またあちこち探し歩いたりせずに、一番大きくてよく熟した穂を選ぶことができれば、おまえにすばらしい宝物をやろう」と約束した。
少女が畑に足を踏み入れると、大きな穂がたくさんあった。だが彼女は、もう少し行けばもっと大きな穂があるのではないか、もっと熟した穂が見つかるのではないかと先へ進んだ。
しばらく行くと、まわりは育ちが悪いトウモロコシばかりになった。これでは宝物はもらえないわ、とさらに先へ進むうちに、とうとう少女はひとつも穂を選ぶことなく畑を歩きとおしてしまった。
この逸話は、多くの人々の人生そのものである。
オリソン・マーデン
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