心の包みをほどく

ここに日本文化の美しさと良さがあるのですが、反面、この包む文化には負の遺産があるように思います。
日本はアメリカなどに比べるとあがり症が多いように言われていますし、自己主張も下手とも言われています。これは包み込んで表にはあまり出さない文化の習性のせいかも知れません。

人の前で過去の惨めな体験を話しながら思わず泣き出した人、こうした人を見ていると、「よくよく辛い感情を溜めていたんだなぁ」と感じます。でもこうした過去の辛く惨めな感情をはき出した人は間違いなく抜け出しています。どこか心の重荷がとれた感じで、確実に前に進みだしているのです。
泣くほどでなくてもこの心の包みを人前で解いて、心を明らかにする行為が必要です。これが心のしばりからぬけ出す大切な方法です。掴んでいるものは放さなければいついつまでも自分を苦しめます。
ただ体験者は、友人や家族に話しても愚痴を言っただけのような感じになり効果はなかったと語っています。
過去の体験が問題なのではなくて、その体験を通して掴んだ惨めな感情、辛い感情、恥ずかしい思いが留まっているのです。思いや感情は、語り、外に出さない限り心の中に残り続け自分を苦しめます。
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最終更新日:2014/09/18