強いコンプレックス2

ある30代の男性ですが、会社でさまざまな発言をする機会があるごとに苦しんでいました。発言の場ではとても緊張し、まともに発言できないのです。
あがりという状態が仕事にもたらす悪影響は、計り知れないものがあります。そこで彼は、ネットで調べてあがり症克服法をいろいろ試してみましたが、結果は思わしくありませんでした。
あるとき彼は、あがり症を克服した人が、「何もかもさらけ出そうと決心して、人前に立つようにしたらあがらなくなってきた」という体験の話を聞いたのです。
それを聞いた彼は、ハッと自分のある思いに気づきました。彼には、人にあまり知られたくない、隠しておきたいコンプレックスがあったのです。
彼には引きこもりのため高校を卒業していないという苦しい過去があり、そのことを人に知られることに恐れをいだいていました。

それを境に彼は、人前で話すことに次第に重苦しさを感じなくなっていきました。やがてしっかりと解放されていくでしょう。
このことは、とても大切なことを示唆しています。知られたくない思い、隠そうとする思いが、人前に立った時に不安と緊張を引き起こしているということなのです。
コンプレックスや、知られたくない部分は誰にでもあります。それを隠そうとする心の働きが強いと、人前に立ったときに、必要以上に不安と緊張を引き起こします。
ありのまま、そのままの自分を出すことこそ正しい道なのです。
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