言葉の力で脱却

初めのうちはさして大きな欠点でもなかったものを、常に「私はダメだ」「私はダメだ」「私はあがる」「私はあがり症だ」と言っていますと、その次にはいっそうヘマをするようになります。それが言葉の力です。
その言葉の力で心が習慣づけられ、欠点なり症状なりが固定化されていきます。
この悪習慣から脱却するには反対の事柄を心に強く思念する必要があります。
「私はあがり症だ」と思う代わりに「私は落ち着いて話せる」と常に自分の心に言いきかせるように言っていると、その繰り返しの言葉の力で次第に潜在意識に浸透すれば状況が変化してきます。
私たちが誤って毒薬を飲んだならば、それを中和する反対の性質を持った薬剤を飲むのと同じです。欠点の観念を打ち消すためには、反対の観念を入れるのです。
あがり症の根本には、「自分をよく見せたい」「人に評価されたい」「失敗したくない」という自分を飾る心が横たわっていますから、「私は落ち着いて話せる」に加えて「私は無欲だ。だから落ち着いて話せる」というように心のあり方まで言葉で誘導すればいっそう効果が高くなります。
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最終更新日:2014/06/05